こんにちは。Toma(@TomoSakura010)です。
僕は普段、テレビ局で音響効果の仕事をしています。
みなさんは音響効果の仕事について知っていますか?
音響効果の仕事と聞いても、音に関係する仕事かな?くらいで詳しい仕事内容について知らない人も多いかと思います。
そこで今回は音響効果の仕事についていったいどんな仕事なのか、実際に現場で働いている僕の実体験から書いてみたいと思います。
目次
音響効果の仕事とは?
音響効果の仕事とは、一言でいえば作品に音をつける仕事です。
映像に必要な音楽や効果音などをシーンや動きに合わせて適切に配置していきます。
・選曲
一番基本となるのが選曲という作業。
テレビ番組では既存の音楽(ドラマ、アニメ、映画やアーティストなどの楽曲)から、そのシーンににマッチした音楽を選んでつけることが一般的です。
ただ単に選曲するだけでなく、シーンごとに楽曲のどの部分をどのくらいの長さで使用するか。
楽曲をソフト上で切り貼りしながら違和感なく繋げるなど、試行錯誤を繰り返しての作業になります。
無数にある楽曲から選曲するので、 音をつける人それぞれで全く違う作品になります。
場面に合っている楽曲を選曲することが絶対条件ではありますが、ある意味正解はなく、仕事では感覚を掴むことが重要になってくるのではないかと思います。
・効果音
その次に効果音。
選曲の他、動きに合わせた適切な効果音もつけていきます。
効果音はセンスがより強調される部分でもあり、つける音ひとつで印象がガラリと変わります。
スーパーやテロップなどのコメントフォローであったり、
足音や、ボケツッコミなど
効果音の演出でよりシーンを面白くできるのです。
・整音
整音は、収録した音声を違和感なく綺麗な音に編集することです。
映像は様々な形で編集された状態で搬入されるため、音も切れていたりと違和感のあることが多いです。
そのような違和感を自然に聞こえるようにするのが整音です。
必要のない音、例えば
・収録時の関係のない話し声
・犬の鳴き声
・咳の音
などの音の除去もできれば、
逆に必要な音を足すことも可能です。例えば
・肉の焼いている音
・風の吹く音
・ 川のせせらぎの音
などですね。
このように収録された音声を編集する作業も音響効果の仕事に含まれます。
つける音は番組によって様々で、
バラエティ、情報、報道、ドキュメンタリーなど、それぞれに合ったものを完成させる必要があります。
仕事内容
音響効果の仕事をもう少し詳しく説明していきます。
・MA
MAとはマルチオーディオの略で、先ほど音響効果の仕事でも触れた選曲や効果音、整音、またナレーション収録などなど、音の作業全般のことを言います。
普段の業務では、出来上がった映像に
音楽、効果音、整音(収録音声の調整)、ナレーション収録などの作業をして作品を完成させます。
仕事の流れ
・打ち合わせ
映像に対しディレクターと音の方向性などについて打ち合わせをする。
・仕込み
ディレクターの要望をヒントに、試行錯誤しながら音を作り込みます。
選曲、効果音、整音をこの段階で行います。
・ナレーション収録
アナウンサー、ナレーターさんと立ち会い、ナレーション収録を行います。
・ミックス
全ての音をミックスし、適切な音量バランスに整え、作品を完成させます。
・ディレクターチェック
最後に出来上がった音をディレクターにチェックしてもらいます。
ディレクター以外にも、作品に関わっている人が何人かで見に来ることが多いです。
チェックで指摘があれば修正し、出来上がったものを納品します。
基本的な仕事の流れはこんな感じです。
・ 生放送OA
ニュースや情報番組などの生放送での音出しも仕事の一つになります。
生放送は絶対にミスが許されない中の一発勝負で、特に音はミスが非常に目立ちやすく、かなりの緊張感を持って業務に臨まなければなりません。
効果音をつけてほしいなどの要望も多く、場目に合わせて適切な音をずれなく手作業で合わせていく状況も多々あります。
また映像がこないと音をつけることができないため、準備がギリギリになることも多いです。
生放送前には、必ずディレクターなどとOA進行の打ち合わせをし、その後本番に向けて必要な楽曲や効果音などを準備していきます。
生放送が始まると後戻りはできないので、常に万全な状態でOAに臨むことが大切になってきます。
・ドラマ
基本的な作業内容はMAの項目と同じです。
しかしドラマではオリジナルの楽曲を作曲家に依頼していることも多く、選曲はその中からやることが多いです。
また効果音は動きに合わせて細かくつけていく必要があるため、その都度必要な音をスタジオなどで録音しなければなりません。
アクションシーンでの銃撃音などはもちろんですが、振り向く時の動作や足音など細かい音一つ一つにも違和感なく音がつけられているのです。
テレビ番組のMAよりも細かい演出の要望が多く、作業も非常に大変です。
音響効果の仕事に向いている人
音響効果の仕事は、音楽関係のソフトや機材などの知識が必要でそれを専門に学んでいなければ難しいと思われるかもしれませんが、実際はそこまで重要ではありません。
知識は仕事をしながら学んでいけばいいですし、仕事自体も経験を積めば誰でもできるようになるからです。
それよりもテレビやドラマなどが好きでよく見ている人など、興味がある人が向いていると思います。
しかしこの仕事は決して楽な仕事ではなく、長時間かけて作品を音で演出していかなければなりません。
体力や集中力はもちろんのこと、こだわりを持って作れることも重要です。
また ディレクターなど、多くの人たちと関わって仕事をするため、相手の話をよく聞き、自分の意見もしっかり伝えるなどコミュニケーション能力も必須です。
音響効果の仕事を目指したい方へ
音響効果の仕事は新卒採用で募集しているところもあります。
新卒採用枠で狙う方は応募しましょう。
しかし競争率は激しく、有利になるのは大学の時に音響効果をやってきたなど専門分野に特化している人たちです。
新卒枠で狙うなら専門学校やそれ専門の大学などから応募することが一般的となります。
それ以外の方法もあります。
新卒枠に厳しいですが、意外と中途採用は狙うことが可能です。
しかしこれは音響効果などのある程度の現場経験が必要になります。
アルバイトなどを募集しているところもありますので、ある程度現場経験をして中途採用で応募してみることも一つの道だと思います。
まとめ
今回は音響効果の仕事について、実際に現場で働いている僕が書いてみました。
音響効果の仕事は大変なことは多いですが、とてもやりがいのある仕事です。
自分が一生懸命作った作品がエンドロールに載っているのを見ると本当に嬉しく思います。
そんな音響効果の仕事を今後も続けていきます。
もしこの業界に入りたい方がいればチャレンジあるのみ!
それではまた~