こんにちは。
和一閃のデザイン全般を担当しています、夏ワタル(@summering26)です。
【当サイト】和のコンピレーションサークルである「和一閃」では制作した楽曲をJASRACに登録し、
参加者の印税収入を得ることも視野に入れて活動しています。
印税といえば発売されたレコード(CDなど)に収録された楽曲がカラオケで歌われたり、
放送局などで使われたりといった際に発生する権利収入といったイメージがあると思います。
しかし、音楽業界(またはその他の知的財産がからむ職種)で働いていても印税や著作権についてしっかりとその仕組について理解しているひとは少ないのではないでしょうか。
そこで今回から音楽業界と知的財産がからむ業界)に関して、意外としらない印税や著作権に関して、わかりやすく紹介したいと思います。
なるべく5分ほどで簡単に読めて、だれが読んでもわかりやすいように書いてくつもりです。
印税や著作権に興味がある方はぜひ記事を読んでみてください。
目次
5分でわかるJASRAC①
JASRACといえばとても悪名高い団体のイメージありますよね。
最近ではピアノのレッスン教室で登録された曲を演奏したら利用料を取るといった内容で裁判沙汰になって炎上してましたね。
「JASRACが日本の音楽業界を衰退させた!」
「JASRACは権利ヤクザだ!」
「JASRACと書いてカスラックと読む!異論は認めない!」
こういったカスJASRACをdisる様々な意見がネット上には溢れています。
まあネット上の意見は玉石混交なのでどれを信じれば良いのか定かでは有りませんが、
今回はそういった偏った意見にフォーカスを当てずに淡々とカスJASRACについて解説したいと思います。
JASRACとは?
JASRAC
一般社団法人日本音楽著作権協会(にほんおんがくちょさくけんきょうかい、英語: JApanese Society for Rights of Authors, Composers and publishers)は、日本の著作権等管理事業法を設立根拠法に、音楽著作権の集中管理事業を日本国内において営む一般社団法人である。公式に英語の略称である「JASRAC」の表記をロゴとして使っており、ジャスラックと発音する[4]。以下、この記事では「JASRAC」と表記する。
Wikipediaより引用
端的にいうと、音楽に関する著作権を管理している団体ですね。
法人なので、音楽著作権管理会社といった方が良いかも。
JASRACはどんなことをしているの?
JASRACとは一体どんな業者なのでしょうか。
知的財産というなかなか難しい構造をしているものを扱っている会社なので、簡単には説明しづらいのですが、要点をまとめると以下のようになります。
JASRACがしていること
- 主に音楽業界に関わった会社
- 委託者から著作権を信託財産として譲り受け登録管理している
- 管理によって得た著作権使用料を、その持ち主に配っている
- 委託者とは作品の著作権を持っている人
- 委託者は著作権者とも呼ばれる
- JASRAC に登録している著作権者は主に、作詞者、作曲者、訳詞者、編曲者または音楽出版社
第一回目の今回はJASRACの事業のひとつである「著作権の管理」についてです。
音楽に関する著作権を管理している
JASRACは登録された著作権を管理しています。
著作権の管理と言っても最初はよくわからないと思うので、著作権についてサクッと説明しますね。
音楽の著作権とは
この記事の読者であるあなたが実際に著作権を持ったシーンを想定して考えてみます。
あなたは普段から音楽を作ることを仕事(または趣味)にしています。
実際の楽譜にするのでも良いですし、打ち込みで作曲でもなんでも良いです。
まず楽曲制作などをあなたがしたとしますよね?
これがオリジナルのものである場合はその作品(楽曲)に自動的に著作権というものが発生します。
著作権とは簡単に言うとその作品をあなたが作ったという証明であり、 その著作物(楽曲)をどのように使うかはあなたの自由なのです。
著作権が生まれると同時に発生する権利として、複製権(CDやデータなどにコピーする権利)や、公衆送信権(SNSやYouTubeなどネットで発信する権利)、出版権(書籍や楽譜などに出版して売る権利)など様々なものがあります。
ここらへんについては細かいので割愛。
著作権を持っている人(ここでは楽曲を制作したあなた)のことを著作権者といいます。
ここでポイントなのですが、著作権は自分以外の誰か(人や会社)にあげることが可能なのです。
(このポイントがあとで重要になってきます)
音楽の著作権侵害とは
あなたが作り著作権を持っている作品を、他の誰かが作ったと偽って発表した場合、それは著作権侵害になります。
偶然似たものを同じ時期に作ってしまった場合や、たまたまメロディや歌詞がとても似ているといった場合は著作権侵害にならない場合もあります。(ただし訴訟を起こされて敗訴すると著作権侵害になります)
またあなたの作った楽曲をだれかが勝手に配信したりするのも著作権侵害です。
たとえば楽曲を発表してCDとして発売したり配信したりすると、それによってお金が発生するわけですが、
その売上を得る権利を持っているのが著作権者であるあなたなのです。
勝手に配信されたりした場合は公衆送信権侵害ということになります。
(インターネット社会の現在では、この公衆送信権が一番槍玉に挙げられている気がしますね)
JASRACは登録された著作権を管理している
あなたが楽曲をつくったとしても、実際にCDや配信などで作品を売ったりその作品の持つ権利によって収益を得たいと思ったとします。
しかし著作物というものは毎日のように大量に生み出されているわけなので、しっかりとその著作権を管理する必要があります。
自分の作ったものを使って他の誰かがお金を儲けたりすることを防いだり、
自分がそれを作ったと証明するためにも著作権を管理することが求められるわけです。
そこであなたは自分の著作物に関する著作権をJASRACに信託譲渡(つまり預けてまかせるということ)します。
これがJASRACに登録するということです。
(ざっくりいえばですが)
あなたから著作権を預かったJASRACは、あなたの代わりにその著作権を管理します。
管理というのは、その著作権をもつ作品が使用されたときに使用料を徴収したりするといったことも含みます。
(ここの部分については別の記事で解説します)
簡単にまとめるとJASRACは作品に対して著作権を持っている著作権者(あなた)のために、代理や媒介をしてくれる業者ということになります。
まとめ
今回はJASRAC についての導入編としてJASRAC がどういうことをしているかについて概要を解説しました。
実際に調べていても法律が絡んでいてとても複雑です。
分かりやすく言うと著作権がお金だとしたら、 JASRAC は銀行のようなもの。
銀行を信じて自分のお金を口座にいれると、銀行はそのお金をかわりに管理しますよね?
そして預けたお金(作品)は自分の好きなように引き出したり運用して利益をあげたりできて、銀行はそれを拒否することはほとんど無いです。
(まあ実際は銀行とはちょっと違ったシステムなので、たとえ話ですが)
ポイント
- 作品を制作したら著作権が生まれる
- 著作権をも持つ作品のことを著作物を呼ぶ
- 著作権を持っている人や法人のことを著作権者と呼ぶ
- 著作物を勝手に使用されると著作権侵害
- JASRACはこの著作権を代わりに管理してくれる会社
- JASRACは著作権が使われたときに、著作物を使ったひとや会社から使用料を徴収する
今回は音楽著作権についての前提知識とJASRACについての簡単な説明でした!
次回からはさらにJASRACがどのようなことをしているのかを深堀りして解説してみたいと思うので、
続けて読んでもらうことをオススメします!