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音楽著作権

お店のBGMには著作権使用料を絶対に払わなければいけない?

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音楽著作権に関して、たまに話題になるのが「店舗でのBGMの使用」ですね。

 

今回は日常生活でよく見かけるBGMについて、どのように著作権が関係しているかについてカンタンに解説してみたいと思います。

 

お店のBGMには著作権使用料を払わなければいけない?

カフェ

世の中では無意識でもいろいろなところで音楽が使われています。

 

たとえば代表的なものに飲食店などの店舗で使われるBGMがあります。

 

レストランや喫茶点、クラブなどのお店(店舗)では雰囲気を良くしたり、お客さんがリラックスしたりできるようにBGMが使われている場合が多いです。

 

そういう場で使われるBGMにもついてもやはり著作権が絡んでいます。

 

ここで素朴な疑問として、

 

「お店でBGMを流すだけで使用料を払わないといけないの?」

 

と思うこともあると思います。

 

結論からいいますと、「場合によっては払わなければいけない」です。

 

BGM利用とは

スピーカー

前提として「BGM利用」というのは例えばCDプレイヤーや携帯音楽プレーヤー、PCなどで音楽の再生をすることです。

 

BGM(バックグラウンドミュージック)なので、お店のバックで雰囲気作りなどを目的としているイメージです。

 

BGM利用に該当しないものとして、「ピアノやギターなどの生演奏で音楽を流す」

「動画などに音楽をつけ、それを再生する」といったものがあります。

 

背景に流すものとしての音楽といった感じでしょうか。

 

こういう場合はJASRACと契約手続きをしなければならない

契約

BGMをお店で流すことに決めたとして、どういった場合に契約手続きをしなければいけないのでしょうか。

 

これに関してはJASRACのホームページ上で公開されています。

 

シンプルな回答になりますが、お店が個別でJASRACと契約手続きをしなければいけないのは

 

  • 市販のCDやインターネット配信をBGMとして流している場合
  • お店などに代わってJASRACに著作権使用料を支払うこととなっていない有線音楽放送会社から、配信を受けた有線音楽放送を流している場合

 

となっています。

 

市販のCDを流す場合は使用料を払わなければいけない

CD

たとえば喫茶店や飲食店などのお店をやっていて、店内にBGMなどを流したいと思った場合に、

自分で購入したCDなどを流す場合はどうなるのでしょうか?

 

 

結論からいうと市販のCDをお店で流す場合は著作権使用料を払わなければいけないようです。

 

「自分で購入したCDなのに?」

「CDの代金は払ったのにまだお金を払わないといけないの?」

 

そういう疑問を持っている人も多いのが実情ですよね。

 

実体験ですが、僕が昔飲食店でアルバイトしていた時に、当時の店長がまさにこの問題に直面していました。

 

当時は店長が新しく店を始めたばかりで、そこで開店スタッフとして働いていたんですが、

店長の自腹で買ったCDをしばらく店内BGMとして流していると、数ヶ月経ってからJASRACの人がきて使用料を払ってくださいとの交渉にやってきたことがありました。

 

そこではまだ詳しい著作権に関しての法律などは知りませんでしたが、

最終的に店長は自分のCDを流すのを止めて、有線を契約することになりました。

 

実は市販のCDショップなどで売っているCDやレコードは「私的使用の範囲内」を目的に複製して販売されています。

 

自分でCDを購入して、個人で聴いたり、個人のPCで取り込んだり複製使用することは問題ないのですが、

営利を目的としている店舗などでは私的使用の範囲内を超えてしまっているわけですね。

 

営利を目的として店舗を経営しているのであれば、そこでCDの音源を流せばお金を稼ぐために使用している(つまり私的使用の範囲を超える)ということになります。

 

ここらへんについては「著作隣接権」が関係しています。

 

※著作隣接権についてはこちらを参照してみてください

 

音楽CDを店舗で流してBGMとして使用したい場合(CDに収録されている作品の著作権をJASRACが管理している場合)、原則としてJASRACへの申請の手続きが必要です。

 

この問題に関しては過去にJASRACによる訴訟も起きていまして、

2018年には札幌地方裁判所による判決で、BGMの使用料を払わなかった理容店に対してJASRACが使用料の支払いを求めて提訴したという裁判で、

最終的に裁判所がJASRACの提訴を認めています。

 

その他にも2018年に使用料未払いの151店舗に対してJASRACが法的措置を取るなど、最近は取締が厳しくなってきています。

 

ラジオを流す場合は使用料を払わなければいけない?

ラジオ

よくラジオを流している小さい居酒屋とかありますよね。

 

こういった場合は著作権使用料を払わなければいけないのでしょうか?

 

実はAMやFMなどのラジオで放送されている内容をそのまま店内のBGMにしても、著作権使用料は払わなくても大丈夫なのです。

 

またラジオ局がインターネット上で同時に再放送しているサービス(radikoとか)をBGMとして流す場合も問題ありません。

 

ついでにテレビなどの公共放送をBGMなどにするのにも著作権使用料はかかりません。

 

よく小さな居酒屋や食堂などでテレビが流れっぱなしな光景をみかけることがありますが、あれも問題なかったんですね。

 

「公共放送であれば基本的に流してもOK」とおぼえておくと良いと思います。

 

お店で流すBGMの著作権使用料はいくらくらい?

お金

お店でBGMを流すことに関しては様々な問題や訴訟が起こっていますが、実際に使用の契約手続きをしたとして、使用料はいくらぐらいかかるものなのでしょうか?

 

これについてはお店の面積で金額が変化してくるようです。

 

面積で金額が変化する理由として、面積が広ければ広いほど利益率が高くなる傾向にあるのが理由です。

 

小さな飲食店では利益率などはたかが知れていますが、大きな店舗で客席も多いものになるとその分利益も上がるので高くなるというわけです。

 

JASRACは店舗の面積によって年額6,000円から50,000円の著作権使用料になると言っています。

 

一概にいくらとは言えませんが、500平方メートルの店舗面積の場合は年額6000円(または月額1200円)

9000平方メートルを超える場合は50000円といった感じで決まっている様です。

 

↓詳しくはこちらを参照

 

使用料を払わなくても良い場合もある

お金

また条件付きではありますが、使用料を払わなくても良い場合もあるようです。

 

JASRACのサイトでは

 

  •  福祉、医療(医療法に基づく医療提供施設)、教育機関でのBGM
  •  会社や工場での従業員のためのBGM
  •  露店などでの短時間かつ軽微な利用
  • ※著作権法38条1項(「営利を目的としない演奏」など) が適用される場合は、

 著作権者の許諾なく自由に利用することができます。

 

と書いています。

 

最近はJASRACや有線と契約しなくても良いBGMサービスも

 

JASRACや有線と契約して使用料を払いBGMを流すというのも良いですが、必ずコスパが良いとは限りません。

 

最近では著作権フリーで使えるBGMやCDなどを販売しているサービスやアプリも出てきました。

 

有線などの代わりになるBGMアプリなどでは「モンスター・チャンネル」がオススメです。

 

また店舗でのBGM利用限定でCDを販売しているサイトでは「WHITE BGM」

などがオススメです。

 

まとめ

 

今回は喫茶店や飲食店などの店舗でBGMを流す場合「著作権使用料を払う必要があるのか」について簡単に解説してみました。

 

普通に暮らしていると著作権についての知識がないのが普通だと思いますが、たまにこういった内容が話題になることがあります。

 

過去には集団的な訴訟も辞さなかったJASRAC。

 

実際に店舗などを経営する予定で、BGMを流すことを検討しているひとには必須の知識の解説でした。

 

  • この記事を書いた人

夏ワタル

和一閃のデザイン全般を担当しています。 普段は会社員をしながら兼業でデザインやイラストの仕事をしています。 音楽鑑賞と読書と3DCGが趣味。

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