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音の長さは大事だよ 〜エレクトーン演奏視点〜
こんにちは!
2020年春に「和一閃」にサークルメンバー入りした楠木あやか(@Kusunoki_Ayaka)です。
簡単に自己紹介
「楠木あやか」
大学時代エレクトーン定期演奏会・大学祭で演奏
→実技試験で先生方の前で緊張感のある演奏や、YAMAHAで年2回ほど演奏する。
→大学卒業すると人前で演奏する機会が減る
→たくさんの人に聴いてもらいと考えYouTubeに演奏動画の投稿を開始
→エレクトーン演奏動画を投稿し続けて現在5年目
詳しい略歴とプロフィールはこちら
↓メンバー紹介ページ
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メンバー紹介
このページでは「和一閃」シリーズの制作に参加しているメンバーの紹介をしています。 目次1 -Music ...
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近年、DTMの存在が身近になりオリジナル曲の製作を楽しむ方が増加しています。
しかし実際の楽器に触れたことがない人も多いのではないでしょうか。
各楽器の特徴や、譜面を見て演奏する人はどんなことに気をつけているのかなど
実際に演奏をしてきた経験から、これから作曲をしてみたい人の参考になる記事を書いていけたらと思います。
※演奏動画をつけていますので演奏者側の方も参考になる内容です。
さて、今回は実際に楽譜をみて演奏する時どのように譜読みが行われ、
演奏に反映されるのかについて
「音の長さ」に焦点を当てて解説していきます。
音の長さを保つことの重要性
曲の表情を豊かにするための重要な要素とはなんでしょうか。
この記事ではその1つの要素に「音の長さを正しく保つ」ことを挙げています。
- 作曲するときは「自分の思う印象になるよう記号を書くことの大切さ」
- 演奏するときは「作曲者の指示に従って演奏する大切さ」
以上の2つがこの記事で理解できるようになるはずです。
1、譜読み
こちらの楽譜、
「さぁ、譜読みしましょう!」となったとします。
どのように楽譜を読みますか?
一般的にはド、ファ、ド、ラ・・・といったようについつい音を追いがちですが、
譜読みではあらゆる記号も読んで譜読みと言います。
楽譜に書かれている記号を読み取ると次のようになります。
- 4分の4拍子
- ヘ長調
- テンポ ♩=100
- 1段目 ト音記号、 2段目・3段目 ヘ音記号
- 何音符で書かれているか(四分音符?八分音符?)
- 「スタッカート」や「スラー」が使われている音を把握
- コードネーム(2段目・3段目の音を読む時、助けとなるもの)
この楽譜には強弱や発想記号がありませんが、記載のあるときはそれらも必ず確認します。
演奏者は楽譜の隅々まで確認します。
オリジナル曲や編曲した曲を誰かに演奏してもらえる機会が出来た時には、整えた綺麗な楽譜を渡すよう心がけましょう。
2、奏法に関する記号によって保持される音の長さの違い
①~④の楽譜の相違点はなんでしょうか。
①
②
③
④
それぞれ「奏法記号」が異なりますね。
では、これらの奏法記号で音の長さに変化があるのか実際に聴いてみましょう。
試すのは一番上の段の声部です。
動画内容をまとめると次のようになります。
①記号なし
音符が持つ長さを保持しました。
②スタッカート
音符が持つ長さの約半分ほどの長さになりました。
③スラー
音と音の隙間がなくなり、音符が持つ長さより少し長くなりました。
④アクセント
音と音の隙間をはっきりと作り、音符が持つ長さより少し短くなりました。
保持される音の長さが変わったことに気づけたでしょうか。
3、曲の印象
先ほどの動画でもう一つわかることがあります。
それはそれぞれの奏法記号で曲全体の印象が変化することです。
①なし
のっぺりしていて、無個性な印象
②スタッカート
元気がよく、軽快な印象
③スラー
穏やかに、優雅な印象
④アクセント
ハキハキしていて、堂々としている印象
このように聴こえませんでしたか?
曲の印象は奏法記号のみで決まるものではありません。
しかし、これだけでも十分に印象を変えることができるということを覚えておきましょう。
+α 奏法記号の効果の影響力はどのくらい?
「一つ一つに記号つけるのなんて面倒!」
「一つ一つに付いている記号なんて読むの面倒!」なんて思っていませんか?
なぜ必要なのか、
プロコフィエフ作曲、交響的物語<ピーターと狼>で今までの①~④を試してみましょう。
また、曲でどのような効果があるのか合わせて確認していきましょう。
プロコフィエフ作曲、交響的物語<ピーターと狼>
(ライトモチーフ:ピーターのテーマ弦楽合奏)
この譜面はスコアから抜き出して3段譜にまとめたものです。
試すのは一番上の段の声部です。
①~④の演奏は本来の曲調から遠ざかる印象になりましたね。
作曲者が意図したスタッカートやスラーなどの奏法記号を盛り込むことで、
演奏者がそれを読み取り表情豊かにすることができます。
記号の記載がなければ演奏者がどのように演奏したら良いのかわからず、作曲者が思い描いていた演奏ではなくなってしまう可能性があります。
ですので、出来る限り細かく指示することが必要です。
まとめ
ここまで演奏者の視点から楽譜に書かれた音の長さ・曲想の変化について書きました。
ポイント
- 音の長さを正しく保つことが重要
- 描かれている記号は隅々まで確認する
- 奏法記号によって音の長さが変わる
- 奏法記号が違うと曲全体の印象も変化する
- 演奏する時は作曲者の意図に沿って演奏することが重要
作曲するときは自分の思う印象になるよう記号を書くことの大切さ、
演奏するときは作曲者の指示に従って演奏する大切さが理解できましたでしょうか。
ぜひ、作曲や演奏に活かしてください。
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